淫らな眠りへの誘い
彼と初めて会ったのは中学一年になる三月だった。

私の家の斜向かいのお家に引っ越してきた。

引っ越してきたというより戻ってきたというべきだろうか

彼の母親が離婚したからだ・・

引っ越しの当日、母親と一緒に嫌そうにあいさつに訪れた彼を見て私は胸がドキンとした。

初めてだ・・男の子を見て・・ドキドキなんて・・

だって男の子は私にとって意地悪なだけの存在だったから・・

彼はこの前まで小学生とは思えないほど大人びていて
サッカーをやっているという彼は真っ黒に日焼けしてとてもかっこよかった。
おばあちゃんがイケメンさんねと驚くほどに・・


お互いの母親が仲が良かったというのと彼の母親が仕事が忙しくまだ祖母が生きていた私の家で食事をすることが多くなった。

私は彼を意識しながらも人見知りと

彼の不機嫌な顔を見て話しかけられずに日が経っていった。


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