淫らな眠りへの誘い
私は篠崎美桜(みお)

母は篠崎有美(ゆみ)

彼は西口大地

そのお母さんは西口明美

おかあさんたちは10才も違う。

入学式のあと楽しそうに騒ぐお母さんたちとともに昼食をとるために

近くのファミレスまで4人で入った。

彼はずっと不機嫌で朝一緒に来たことをからかわれたかなあ

私となんて外で食事をするのが嫌だったかなと思っていた。

そう思うとなんだか悲しくなって泣きそうになった。

相変わらず母親二人は昔話に花が咲いてる

おばさんが

「美桜ちゃんが赤ちゃんの時、よく大地と一緒に世話したのよ・・
二人とも可愛くて」

「本当に助かったわ・・お母さんの病気とこの子、抱えて・・お金は稼がないといけないし、出稼ぎに行ってる時なんて連れて行くわけにもいかないし・・
明美姉ちゃんが世話するのは一人も二人も一緒って面倒見てくれて」

出稼ぎ・・お母さんは週末のキャバクラに働きに行くことをそう呼ぶ

「大地と美桜ちゃん一才くらい違うでしょ。大地が美桜ちゃんのこと世話してるのよ。泣いてるとよしよしって慰めてあげたり・・私を呼びに来たり・・」

「仲良かったんだ・・」と嬉しそうに微笑むお母さん

「また仲良くできるね。ヨロシクね。美桜ちゃん」

「あっ・・はい」

私はおばさんと仲良くすればいいの?

「よろしくね。大地くんも・・」
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