淫らな眠りへの誘い
僕は異質だった・・
僕を見てみんなハーフだと思うだろ・・
僕はれっきとした日本人の両親から生まれた・・もちろん眼は黒い・・
両親は驚いた・・でも愛してくれたよ・・
母は陰口に悩まされた・・外人と浮気をして僕が出来たと・・
異質なのは目だけじゃなかった・・僕は耳も鼻も良すぎるんだ・・
運動能力も・多分猫に近いかと思う・・
青が生まれた時代・・人は五感が優れ・・
いろんな特性を持った人間がいたそうだ・・
特異な外見はいじめの対象になった・・母ももう限界だった。
アメリカに行けば僕の特異な外見も目立たない・・
やり直すつもりで家族で渡った。
上手くいった・・僕は頭が良かったから高校は飛び級で15歳の時に卒業して今は興味があったスポーツ医学を学びながら父の研究所で手伝いをしている・・
母が若くして死んだのも父が遺伝の研究にのめり込んだのもこんな自分のせいだと思っている・・
青とは日本を立つ6歳の時に初めて会った。
自分が猫ならこんなかなと思った。じっと見てると頭の中で声がした・・
協力者のくせに遠くに行くのかと・・離れても通じるような力をお前はつけろと
そして13歳位からまた声が聞こえるようになった。
母が死んだんだ・・遺骨はこっちの墓地に埋めた・・命日の9月前後はこちらに帰ってくるようになった・・その時に青にあって話すようになった。
そして今年の夏・・青から助けてあげてくれと連絡があった。頭の中に
ちょうど母の命日だ年内いっぱいはなんとかこっちで過ごせる・・そんなつもりで帰国した・・青は猫だ・・いくら頭が良く人生経験があっても・・
人間様に動けない・・
もう少し早くに帰って青と協力してあの女の悪巧みなんて潰してれば
大地も傷つかずに済んだかもしれないのに
ゴメンな・・
でも良かったあの女と離れられて・・
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