淫らな眠りへの誘い
大地side・・

添島は本当に俺と同じ高校生か?
あいつに死角というものがないのか?
あの容姿・・頭脳・・武道も出来る・・
サッカー部に短い間だけど入部するという・・
短い間ってなんだ・・馬鹿にするなよ・・
サッカーなら俺らの方がうまいはず・・
実力の差を思い知らせてやる・・
少なからずみんな思った・・俺もだが・・
試合が始まってすぐ・・無理だと思った。
こいつは一体何だろう・・
俺らだって結構強いというのに・・あいつにいいようにやられてる気が・・
添島は俺らの動きを見ていたのか?いろいろ試しながら・・
添島は先生と話し合って
俺たち個人個人の弱点克服のためのトレーニング方法を
考えてくれた・・
それはとても合理的で俺らはきっと強くなれるだろう・・
俺はあのクリスマスの告白のあと添島とふたりで話した。
お前はなんでも出来ていいなあという俺に
そこが問題なんだ・・すぐ出来てつまらなくなる・・
自分が興味を持ってやれることを見つけるのが大変なんだ・・
スポーツ医学を勉強したのは僕の運動能力のことが少し分かるかなって思ったのがきっかけ・・
自分が異常だって改めてわかったけど・・
どうすれば僕の筋肉に近づけるって感じで勉強して実験して論文にしたんだ・・
これは正解だったね・・

僕は人間離れしている・・
この能力のおかげでいろんなものを失っていくようで怖いよ・・
そう添島は言った・・少し涙ぐんでたかもしれない・・

でもお前は俺たちが得れないものも得ることができる
それは知識・・発見・・何か発明もできそうだ・・
そう言う俺にそうだね・・
やっぱりお前は優しい・・
そう言って笑った。



< 82 / 87 >

この作品をシェア

pagetop