kotodama?
いつもの様に、あの真っ白なお屋敷の前を通り過ぎようとした時、目に止まったのはお屋敷の柵に張り付いた白い小さなメモ。
雨に濡れて文字が滲んでいる。
立ち止まって文字を目で追うと、
“夜間警備員求む…週一回22時〜24時まで。時給一万円”
と随分達筆な字体で書かれてあった。
時給一万!?
うちの家計はキツイので、できれば今日から始めたい。
どこで申し込めばいいんだろう、と辺りを見回すとお屋敷の門を入ってすぐ右にある小屋の前に警備服が干されてあるのが見えた。管理事務室だろうか。
雨なのに、警備服がぬれるよな
俺は門の方に歩き出した。