恋愛自動販売機【短編】
「佐々川くん!!」
「なんだ?」
「私、佐々川くんのこと……………」
言いかけた途中でさっきのOLの話が頭に浮かんだ。
『恋愛自動販売機』
そうだ。
ここで伝えるのはダメだ。
あの自動販売機の近くじゃ、振られる確率高くなりそう。
私はふるふると首を横に振った。
「佐々川くん予定とか大丈夫なの?さっきどっか行く途中だったんじゃない?」
「別に………。ただ散歩してただけだから」
彼が何故かどぎまぎし、更に私から目を反らしながら話す。
散歩…………?
何かあやしい。
絶対他に理由があるよ。