恋愛自動販売機【短編】
佐々川くんが私のこと好き……………?
うそっ。
顔が熱くなり、耳の奥からも脈打つ音が聞こえる。
私の耳元から離れた彼を真っ赤な顔で上目遣いで見上げる。
「本当?」
見上げた彼の顔も私と同じように真っ赤だ。
「こんなこと…………うそつかないから」
ギュッと彼に抱きついた。
「私も、佐々川くんのこと大好き」
ねぇ、
あそこに見える自動販売機はね、ただの自動販売機じゃなくて恋愛自動販売機っていうんだよ。
いい出会いも、悪い出会いも引き寄せてくれる自動販売機。
私の場合は、いい出会いを引き寄せてくれた。
うかつには近寄れないけど、
あなたも、一か八かの賭けをするなら、
是非この場所で、
この自動販売機の前で
運命の出会いと最高の奇跡を信じてみませんか?