恋愛自動販売機【短編】

やって来たのは近所の公園。



辺りには2、3組のカップルと数人の子供しかいない。



彼はその中のベンチに私を座らせると


「ちょっと待ってて」


と、言い残しどこかへ行ってしまった。



うわ~。



学校外で二人きりで公園に来るなんて、なんかデートみたいでドキドキする。



落ち着こう。



私は深く深呼吸した。




「ねぇ、知ってる?あそこの自動販売機」




私の隣のベンチに腰かけたOL二人の言葉に耳が傾いた。



一人の指差す先には私のさっきいた自動販売機が見える。



なんだろう?




「あの自動販売機ね、変な噂があるんだよ」




噂・・・・・・・?



私は耳に全神経を集中させた。




< 8 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop