恋愛自動販売機【短編】
やって来たのは近所の公園。
辺りには2、3組のカップルと数人の子供しかいない。
彼はその中のベンチに私を座らせると
「ちょっと待ってて」
と、言い残しどこかへ行ってしまった。
うわ~。
学校外で二人きりで公園に来るなんて、なんかデートみたいでドキドキする。
落ち着こう。
私は深く深呼吸した。
「ねぇ、知ってる?あそこの自動販売機」
私の隣のベンチに腰かけたOL二人の言葉に耳が傾いた。
一人の指差す先には私のさっきいた自動販売機が見える。
なんだろう?
「あの自動販売機ね、変な噂があるんだよ」
噂・・・・・・・?
私は耳に全神経を集中させた。