恋愛自動販売機【短編】
「自動販売機に噂?どんなのよー」
隣の人はさほど興味も無さそうに微笑しながら聞き返している。
私はすっごい気になる。
だって、私と佐々川くんを引き合わせてくれた自動販売機だもん。
「引力がはたらくんだって」
引力!?
「何よそれ。私のことバカにしてるの?」
また大袈裟に対応する友達とは裏腹に、OLは本気な顔をしている。
「ホントよ。なんかね、人と人とを引き合わせる力があるんだって」
人と人とを引き合わせる力?
そっか私たち引き寄せられたんだ。
なんか嬉しい。
運命感じちゃうな~。
「じゃぁ、あそこに入れば出会いがあるの?!」
「そうでもないのよ」
彼女の言葉をOLはピシャリと否定した。
え?!
出会いないの?!