アフターストーリー~春河家のドタバタな日常~
「ありがとうございました!」
今期最後の出荷を終えると・・・
「じゃ、始めっか!」
緑涼のその言葉をきっかけに、お正月と大晦日の準備が始まった。
緑涼は、キッチンに行って小麦粉を取り出す。
その横で、火燐が油揚げを三角に切ってお湯を掛ける。
禮漸と蓮流は物置から杵と臼を出し、椿と風燕は玄関からたくさん積まれたもち米をリビングまで1袋ずつ運び出していった。
椿と風燕は、運び終えるとキッチンから重箱やカセットコンロなどを取り出してお節を作り始めた。
緑涼は、小麦粉を練り作っているのは年越しうどん。少し生地を休ませている間、畑に向かっていく。
縁側に大きなタライをいくつも並べ、蓮流が小さな声で何かをつぶやいた。すると、すべてのタライにきれいな水が張られていった。禮漸は、その水の中にもち米を2袋いれる。
「椿!まだかよ!」
「ごめんって!」
手際よくお節料理を作る風燕のペースにうまくついていけない椿。風燕は、そんな椿にイライラを隠せないでいた。