アフターストーリー~春河家のドタバタな日常~
「ちっ!せっかく“いい年越し”になりかけたのに。」
「いい年越し?」
「ほ~・・・椿を“つまみ”に酒でも飲もうという魂胆が許せねぇべな・・・」
男の後ろで、武器を持った緑涼と禮漸がじっと睨みつけている。
「覚悟、出来てんだろうな、てめぇ。」
「おらの娘に手を出そうとしたんだ。それなりの代償をいただかないとな~・・・。」
「とにかく、俺たちは先に山降りるぞ!」
「いろんな意味で危ないから!」
椿に聴こえてきたのは、蓮流と風燕の声だった。火燐は「わかったべ!」と言うと、椿を抱えたまま全速力で山を下っていく。その後を、風燕と蓮流が椿と火燐を守るように結界を張りながら一緒に下っていく・・・。
家の玄関に彼らが着いた途端、山の中腹から“ドーンッ”という振動が響き、煙が上がり始める。
「あれ、相当キレてるね(笑)」
「あれじゃ、生きて帰れないね、あいつ。」
蓮流と風燕はくすっと笑いながら山を見つめていた。その横で、震えながら火燐に抱きつく椿。火燐は、尻尾も使って身体全体で椿を抱きしめる。
「もう大丈夫だべ。」
といいながら・・・。