磯野くんと花沢さん
へ?
い、今なんと?
「ずっと、ずっと好きでした‼ま、最初はやっぱり苗字から入ったけど、これも運命じゃないかと思う。だから付き合って下さい‼」
「え…」
あまりのことに、身を引く花沢道子。
だって、みんな見てるし。みんな固まってるし。
磯野君が花沢さんに告白って…。
あり得ないシチュエーション。
その真っ只中に居る、わたし。
ど、どうしたらいい?
どうしたらいいの⁉
「ここは素直にね、花沢さん」
京子が小声で囁く。
そう、そうよ。
これは漫画の世界じゃない。
現実なんだ。
磯野君に交際を申し込まれて、私はその磯野君が、花沢さんに負けないくらい好きなんだ。
「よろしくお願いします」
頭を下げた。