ちび×ひめ Ⅰ
掲示板にいる生徒たちは一向に減る気配がない。
「ぽぷら〜っ」
いきなり誰かに抱きつかれた。
こういうことをする人は約2名しかいないが
この何とも可愛らしい声は
「海ちゃん! おはよう」
「おはー。やったね、ぽぷら」
小川 海(オガワ ウミ)ちゃんは高校一年の時からの親友と呼べる存在。
性格は友達思いの姉御肌。大事なものを傷つけられたらたとえ身内でも容赦しない主義者だという。性格に至ってはそれ以外は保証いたしません。頭は学年50位に入る実力者。
セミロングの茶髪で毛先だけ巻いて、ピンクの水玉のシュシュを2つに結んでいる。
ばさばさのまつ毛に大きな二重の茶色の瞳にピンクのうるうるとした唇。
細長い手足に165cmもあろうかという身長に対してバランスのとれたモデル体型。
美人というよりも可愛いに近いと言った方がいい。学園男子人気NO,1の美少女の海ちゃんは昨年度ミスコンの準優勝者だ。
男子人気NO,1なのにミスコン準優勝だって?
じゃあ、誰が優勝したのか、って?
「やったねって何が?」
「鈍いな〜ぽぷらは。私たち今年も同じクラスになれたんだよ」
「ほんと!! やったぁー」
「うんうん。ま、あいつも一緒になったけど・・・それは無視しておきましょ」
怪訝な顔をする海ちゃんにあたしは苦笑する。
理由は何となくわかってしまったあたし。
あぁ・・・あの人も一緒なんだ。
あたしは三人一緒で嬉しいけど海ちゃんはそうでもなさそうだ。
「ぽ・ぷ・らちゃん〜、海ちゃん〜」
中性的な声で名前を呼ばれ、いきなり後ろからあたしたち抱きついてきた。
こんなことをするのは海ちゃん以外のほかに1人しか思いつかない。
「茉耶ちゃん、おはよ〜」
「おはよー、ぽぷらちゃん、海ちゃん。やったねー三人とも2-Bだよ」