【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ弐






 涙が指輪に




 ぽちゃん、と落ちて。





 指輪の石からつぅーと落ちた。






 次の涙が指輪に落ちる。




 とめどなく涙が溢れてきて。






 泣くな、私…。




 今泣いたら、一生後悔することになる…





 今はこらえなきゃ。




 せめて、今だけは―――。





 私は涙を拭ってトイレを出た。





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