【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ弐






「こんなもの、いらないっ!!」






 私は力いっぱい指輪を地面に叩きつけた。





 指輪はキンッって金属音を立てて





 コロコロと奏太さんの足元へ




 転がって行った。





 カチャン、指輪が地面に伏せる。






「花蓮!」



「私には必要ない!


 百合さんにあげればいいじゃない!!」





 私は叫んで走った。




 奏太さんに呼ばれた気がしたけれど




 今度はもう立ち止まらなかった。




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