【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ弐





 百合さんに止められた。





「誰が出て行っていいと言った?」






 百合さんは立ち上がって、




 私のカバンを掴む。






「ふぇ?」




 ベッドを出た百合さんの恰好は




 酷かった。





 包帯だらけで



 左手は骨折中。




「奏太さん、どんなけ殴ったんですか」




 私は奏太さんに聞いた。




「本気出したからな」




 奏太さんは目を伏せて、



 百合さんを見ないようにしている。



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