【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ弐







 そのとき





 倉庫の前に一台の車が停まった。






「何なに?」





 車のドアが開き、




 出てきたのは百合さんだった。





「…!」




 まわりが声を失って




 百合さんのハイヒールの音だけが




 やけに大きく響いた。






「奏太。私、この町を出て行くわ」




「あっそ。勝手にしとけ」




 奏太さんが私の手を強く握って。




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