【完】三つ子のヤクザと狼娘 巻ノ弐





 一瞬、窓際に座っていた





 百合さんが唇の動きで何か言った。






『迷惑かけてごめん』







 ちゃんと読み取れてたら




 たぶん、そう言ってた。





 百合さん…。






 あの人は




 悪魔なんかじゃない。





 いくつもの顔を持った





 悲しい道化師なんだ。





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