君の涙にキスを ~燐&蓮編~
俺も、幼い頃から

月護家の、次期当主だと言われ

それに相応しい様に振る舞い、我が儘を言わない様にしてきた。

そして、澪の婚約の時も―――――


身体の弱い彼女は、次期当主の妃としては相応しくない。

そう、一族の誰かが言い

その通りだと、俺ではなく燐の許婚にしてしまった。


俺は、その時反論できなかった。

大人達がそういうのだから、と自分の気持ちを抑えてしまった。

そもそもそれが間違いだった。


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