君の涙にキスを ~燐&蓮編~
澪に近づき、その華奢な身体を抱きしめた。

「れ、蓮・・・?」

「澪・・・燐から聞いた。婚約、破棄したんだって?」

俺の言葉に、無言で頷く澪。


「こんな弱ってる時に言うのは卑怯かも知れないけど・・・。澪、俺は君がずっと好きだった。」

「え?」

抱きしめる腕に力を込める。

「君が、誰を好きでも構わない。俺じゃ、ダメか?」

「蓮?・・・今、私の事好きって言った?」

驚いて俺を見ようとする澪。

少し腕の力を抜いて、俺達の間に距離をつくる。


「あぁ。俺は澪が好きだよ。」

「嬉しい。私も、ずっと蓮が好きだった。」


え・・・?

今なんて言った・・・?
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