君の涙にキスを ~燐&蓮編~
「雪兎君?!どうしたの?何があったの?」
意識を失った雪兎を見た、麻子さんの最初の言葉が
それだった。
」当り前と言えば、当り前だけど
真っ青になって雪兎の様子を診ている彼女を
見ると心が痛い。
「悪い。急に咳き込んで吐血したんだ。」
優と俺が何も言えなかったからか
蓮が代わりに説明してくれた。
本当のようで、少し違う。
いっそ、全てを話してしまいたい。
麻子さんに、このまま嘘をつき続けたくない。