君の涙にキスを ~燐&蓮編~
「麻子さ・・・」
「燐。優月を屋敷に連れて帰ってくれ。」
麻子さんに声を掛けようとした瞬間
蓮に腕を掴まれた。
『お前、今何言おうとした?』
蓮の強い眼差しは、そう言ってるように見えた。
「あぁ・・・分かった。」
その日は、渋々蓮の言葉を聞いて
憔悴しきった優を、屋敷まで連れて帰った。
屋敷に帰った俺は、頭が冷えたのか少し冷静に考える事が出来た。
そうだよな。
俺達の事は、誰にも知られちゃいけない。
知られれば俺達だけじゃなく
彼女さえ危険にさらしてしまうかもしれない。