君の涙にキスを ~燐&蓮編~
Ⅴ.信じる心
≪麻子side≫
燐君は、私に構わず血相を変えて、飛び出して行った。
でも、その理由は病室の中をみてすぐに分かった。
「どうして。あんな身体で、どこに行ったの?」
行く予定だった、ラウンドを看護仲間に頼んで
急いで私も、探しに出た。
病棟の中はもちろん、その周辺も。
でも、窓から出て行ったのなら外の可能性が高い。
今日は満月だから、外は思ったよりも暗くなく
灯りがなくても歩ける。
だけど、ついこの前発作が起きたばかりだし
心配だ。
また、発作起こしてないといいんだけど――――
いろいろ探して、辿り着いたのは公園。