君の涙にキスを ~燐&蓮編~
何となく、途中で
麻子さんの声が聞こえたような気がしたけど・・・
目の前に、居るって事は
あれは夢じゃ無く、現実ってことか。
痛む傷跡を庇いながら、ゆっくり起き上がる。
消毒の匂いに、包帯・・・
手当までしてくれてる。
「・・・ん・・・」
あ、目を覚ました。
「あ。燐君・・・ぅきゃっ。」
麻子さんは、俺を見るなり真っ赤になって背中を向けた。
あれ、何で?
「麻子さん?」
「あ、あの・・・そのまま動かないで。な、何か着るもの用意するから。」
そう言うと、慌てて部屋から出て行った。
ん?着るもの・・??
俺は、自分の姿を見て、理由が分かった。