君の涙にキスを ~燐&蓮編~
俺は、蓮の事もずっと傍で見てきた。


身体が弱く病気がちで、部屋の中に閉じこもりがちだった

澪の傍には、いつも蓮が居た。


ベッドサイドに座って、本を読んでいたりしていた。

蓮が本好きになったのは

澪の影響が大きい。


外に出れるようになってからは、俺ともよく一緒にいたけど

いつも澪の身体の事を気に掛けていた。


本を読みながら、いつも窓の外が見れるように

澪の様子が分かる様に、窓際に居た。


なのに蓮は月護家の次期当主という立場から

我が儘を言う事はなかった。

例え、自分が好きな相手が、弟の許婚になっても―――――


そんなの、おかしい。

お互い想い合ってるのに。

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