君の涙にキスを ~燐&蓮編~
小さな墓石の前に立つ麻子。

墓石を見ると『MIZUNO』と名前が彫ってあった。

「私の、お父さんとお母さん、弟がココに眠ってるの。」


あぁ、やっぱりそうか。

MIZUNOと書いていたから、そうかとは思ったけど。


「お父さん達に、燐をちゃんと紹介しておきたくて。」

「ありがとう。嬉しいよ。」

そっと麻子の手を握る。

麻子も俺の方を見て、微笑んでくれた。



しばらく、墓石の前で手を合わせ

俺は、麻子を絶対幸せにしますと誓った。

麻子は俺よりも長い時間、目を閉じ手を合わせていたから

久しぶりの家族の会話をしていたのかもしてない。

後で何を話していたのか聞いたけど、教えてくれなかった。


< 82 / 131 >

この作品をシェア

pagetop