君の涙にキスを ~燐&蓮編~
それ言ったら、麻子はどんな選択をするだろう。

ちょっと知るのが怖い気がする。

「ねぇ、麻子。」

「ん?」

「子供、欲しかったりする?」

「そ、それは・・・いつかは、ね。」

そうだよなぁ。

麻子も女だもんなぁ。欲しいと思うよなぁ。


「あのさ。俺、麻子に言ってない事あるんだ。聞いてくれる?」

「うん。」

俺は、ゆっくり話せるようにと

近くのベンチに麻子と座って話し始めた。


「子供なんだけど・・・今のままじゃ、出来ないんだ。」

「どうして・・・?」

「女がヴァンパイアの場合は出来るらしいんだけど
 男がヴァンパイアの場合は、受身である女が男の血を飲まないと
 出来ないんだって。」

「そんなことなら・・・」


そう。単に俺の血を飲めばいいだけ。

だけど、俺の血を飲んだら、麻子は――――


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