君の涙にキスを ~燐&蓮編~
あれ、なんで?

アイツにだって、友達くらい居るだろうに。

「お姉さん。霧生の事、よく知ってるみたいだね。」

「まぁね。小さい頃から知ってるから・・・」

少し悲しそうに微笑む。


「俺ね、最近転校してきたんだ。でさ、アイツの席の近くになったんだけど
あいつの周りだけ、空気が違うと言うか・・・近寄りがたいって言うか。」

これは本当の事だ。

アイツだけ、あの教室の中で異質というか

昨日一日見ていたけど、話しかける奴は1人も居なかった。


「そう。」

フッと目を伏せ、溜め息をついた。
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