君の涙にキスを ~燐&蓮編~
Ⅱ.弟の想い
俺達が8歳になった頃、優月と初めて引き合わされた。
月護家は、代々湊家の「月」の世話役を担っている。
俺達も例外ではなく、湊家一族の「月」を名前にもつ
女性の世話役をする。
その一歩として、同い年の優月と会った。
最初の頃は、まだまだ幼くて
澪と同じ様に一緒に遊んだりしていた。
けれど、10歳を越え、優月の世話役に任命された時には
その意味を分かっていた。
その頃から、俺達は澪に逢う事は少なくなった。
俺はその頃から、澪とは呼ばずに「蒼井」と呼ぶようにした。
あいつは、燐と婚約したから。
それにそう呼ぶのが、自然に思えた。