きのこうどん
秘密基地の話は?

「ここはお城の庭だから結婚式にぴったりじゃない。」
 
「…?」
 
どう見ても、そこは青々としたアーチしかなく、色がない。
 
ちこはボクよりも上手な存在で
お姫様にあこがれ、想像力豊かな彼女からすればそこはお城のガーデニングされた一角に見えたのだろう。
 
「じゃ、大人になったら結婚しようね!」
 
彼女がボクの袖をひっぱりながら言った後、ボクはすかさず聞いた。
 
「何で?」
 
たぶん、男ってやつは幼かろうと大人だろうと女性からのアプローチには弱い。
 
「だから、言ったじゃない!好きな人同士は結婚するの!」
 
ボクは彼女に一言も好きだなんて言ってなかった。こっちの気持ちは無視?
 
「私はアキト君が好きだから結婚するの。」
 
「???」
  
「アキト君、私のこと嫌いなの?」
  
そう言われたボクは男を見せた。
  
「うん。ちこのこと大好きだよ。」

その言葉にウソはない。ボクは彼女が好きだった。
 
ずっと。
 
ずっと。
 
本当に、ずっと。
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