きのこうどん
外にいたのはいつも優しい叔母さんだった。


「アキちゃん。じいちゃんの顔見てあげて。」


叔母さんは静かにそう言っていたが、目には涙が溜まっていた。


じいちゃんを見ると
昨日はなかった機械がいくつも取り付けられていた。

呼吸器に、心拍数を計る機械だろうか。
画面に浮かぶ109前後を動く数字は、脈なのか、呼吸なのかよくわからない。
ピッピッピッ…と音を立て続けている。

爺ちゃんの傍らにはばあちゃんと、母さん、それから従兄の真一兄さんがいた。母さんは爺ちゃんの手を握っていて一生懸命何かを伝えている。


「母さん…。」


ボクが、母さんの所へ行くと


「爺ちゃん、アキが来たよ。」


と、おでこをさすりながら言った。


「昨日は、目をあけてたのに…」


爺ちゃんの手を握るととても生きている手とは思えないほど冷たく感じた。

呼吸も荒い。

いつ…？そんな不安が胸を締め付ける。
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