きのこうどん
相変わらず、空気の読めない男だと父の顔を眺めていると
「お前も一本吸うか?」
と、父さんがすすめる。
「いや、いい。まだ高校生だから…」
なんていうと、父さんの頃は…なんて言う。
正直、こんなことを話していても胸のそわそわした気持ちは晴れることもなく、
「向こうに行くよ。」
そう言って病室に戻った。
じいちゃんの病室に行くと、画面に表示している数字が92前後の数字になっていた。
「これって…。」
相変わらず、定期的にピッピッピッ…と音を鳴らしている。
「…。」
何も言わずにじいちゃんの方を向いた。
静かに息をしている。まだ、生きている。
そんなことを確認できただけで、どこかほっとする。
カーカーカー
時折、外からはカラスのなく声が聞こえ、
ガラガラガラとセンターから運ばれるあわただしい給仕の音、
隣の病室から聞こえるバライティ番組の笑い声ですら
無情にもボクらの耳を素通りしていく。
「…ねぇ、お母さん?」
病室に入ってきた実が母さんに聞いた。
「何?」
と、かなり怪訝そうな顔で聞き返す母さん。
「おなか空いた。」
はぁ…。
「実、そればっかだな。」
ボクはため息をついて実に言った。
「お前も一本吸うか?」
と、父さんがすすめる。
「いや、いい。まだ高校生だから…」
なんていうと、父さんの頃は…なんて言う。
正直、こんなことを話していても胸のそわそわした気持ちは晴れることもなく、
「向こうに行くよ。」
そう言って病室に戻った。
じいちゃんの病室に行くと、画面に表示している数字が92前後の数字になっていた。
「これって…。」
相変わらず、定期的にピッピッピッ…と音を鳴らしている。
「…。」
何も言わずにじいちゃんの方を向いた。
静かに息をしている。まだ、生きている。
そんなことを確認できただけで、どこかほっとする。
カーカーカー
時折、外からはカラスのなく声が聞こえ、
ガラガラガラとセンターから運ばれるあわただしい給仕の音、
隣の病室から聞こえるバライティ番組の笑い声ですら
無情にもボクらの耳を素通りしていく。
「…ねぇ、お母さん?」
病室に入ってきた実が母さんに聞いた。
「何?」
と、かなり怪訝そうな顔で聞き返す母さん。
「おなか空いた。」
はぁ…。
「実、そればっかだな。」
ボクはため息をついて実に言った。