ぶるーすぷりんぐ!
俺の言葉を理解したのか、みるみる泣きそうになった。
やめろ、そんな顔みてーわけじゃねぇんだよ。
「俺さ…徳田が好きで幸せだった。
だから悪いとか思うなよ。
翔と幸せになってほしい、俺は。」
多分俺はバカだよな…。
好きなヤツに告白の場を作るなんて。
「け、啓太くん…。」
「お前の大切にしてるやつだから、
俺が中途半端に傷つけて良いやつじゃないから、依田は。
だから断った。」
…結局傷つけたけど、な。
「…頑張れよ、徳田。
…俺のコンプレックス、良いっつってくれて…
ありがとうな。愛してた。」
過去形で終わらすのがせめてのもの強がりなんだ。
関屋の表札の家のインターホンを鳴らす。
そして、一度も振り返らずに歩き出した。
呼び戻す徳田と驚いた翔の声は、聞こえないふり。