僕とキミと死ぬ覚悟





立ったまま、僕はどれくらい泣き続けただろう。


新学年になって、

吉田に目をつけられた頃は

毎日家に帰っては泣いていた。


でもいつしか泣いても何も解決はしないことに気づき、

泣くのをやめた…と、いうか感情を捨てた。


いつ以来だろう。

こんなにも泣いたのは。


ハルは何も言わずに横に座っている。



「…ごめん」


やっと落ち着いて、ハルの隣に座った。



「謝ることじゃないと思う」


眩しそうに夕日を見つめている。



「ハル?どうして分かったの?」


「何が?」


「僕が、泣くのを我慢してること」


ハルは僕が入って来た時振り向いたけど。

でも、距離はまだ遠くて。

表情は分からなかったはずだ。


なのにハルは僕が泣くことを我慢していることを見抜いたかのようにあの言葉を放った。



「ハヤト…泣きたかったの?」


「えっ?」


ハルの顔を見るとわざとらしく、驚いたような顔をしていて。


多分ハルは、何も教えてくれないんだろう。

そう、悟った。






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