僕とキミと死ぬ覚悟
「知ってるよ」
「…えっ!?」
「知ってる、っていうより…分かってた、かな?」
ハルはいったい、何を言っているのだろう。
「まず、そのクツ。
そんなにボロボロのクツ、なかなか見ないよ。」
「でも、それだけじゃ…」
「それに、そのカバン。
薄いからそんなに目立たないけど、クツの跡ついてるよ。
多分、蹴られそうになって、
自分の身を守るためにそのカバンを盾にしたんじゃない?」
「だけど、もしかしたら僕がケンカ…」
「それは体格見たら分かるよ」
ハルは僕をチラッと横目で見て笑う。
確かに…っ!僕は貧弱だけど…っ!!
「キミはいったい、何者?」
「何それー」
ハルはそう言って口に手をあてて、笑いを噛み殺そうとしている。
「僕は結構、真剣に聞いてるよ?」
「うん、ごめん。
わたしは、ハル。17歳。
ハヤトと違うところをしいて挙げるなら…
わたしは人を見て想像を膨らますことが得意、ってところかな。」