僕とキミと死ぬ覚悟
ハジマリ
今にも雪が降り出しそうな灰色の空。
ガクガクと震える足。
額ににじむ汗。
季節は冬。
足が震えるのは寒いからじゃない。
何十メートルか下に広がる黒い地面に怖じ気づいているから。
汗をかいているのは着込み過ぎたからじゃない。
いわゆる、冷や汗。
僕は悲しいほどにビビリで
イヤになるほどにダサイ。
周りから虫けらのように扱われ
キライだの、クサイだの言われても
僕自身、僕がキライなのだから
ほとんど僕にダメージはない。
そして僕は決心した。
最期くらい自分をスキでいたくて、
ずっと先延ばしにしていたことを実行しようと思う。
僕は、今から死ぬ。