僕とキミと死ぬ覚悟
「おはよう、ハヤト」
授業後。
いつもより少し遅れて屋上に着く。
「おはよう、ハル」
喋ると切れた口の端がズキン、と痛んだ。
「今日は一段とヒドイ顔してる。」
ハルはそう言って笑う。
つられて僕も一緒に笑った。
僕が思った通りになった。
ハルなら、絶対にそう言うと思ってた。
「うん、今日はいつもより多めに殴られた気がする。」
「その顔じゃ、しばらく学校行けないね。」
「まあね。親になんて言い訳しようか考え中。」
僕も、ハルも、笑っていた。
この時間があるから。
だから、僕は耐えられる。
「今日さ、学校行ったら机、捨てられてたんだよね。」
「机が?よっぽど努力してハヤトをイジメようとしてるんだね。
わざわざ重くて運びにくい机を捨てるなんて。」
「あ、ホントだ。
アイツら、バカだな」
今日のできごとをまた、笑いながら話す。
まるで、今日あった面白い話をしているかのように。