僕とキミと死ぬ覚悟





「…晴れた」


目を覚まし、すぐにカーテンを開けた僕は呟く。


季節は春になろうとしていた。

まだ朝と夜は少し冷える。


そんな、季節。



「あら、珍しい!

あんたがそんなオシャレしてるなんて…」



「別にオシャレなんてしてないけど。」


着替えてリビングに行くと、母さんに予想通りイジられる。



「何?なに?

デート?ついにあんたにも彼女ができたの?

ねえ、ねえ、ねえ!」



「デートじゃないし、彼女もいない。

母さん、距離が近いよ。」


朝食を僕のところに持ってきた母さんは、

顔を近づけてくる。


もし僕が、母さんみたいな性格で、

こんなふうに明るかったら。


きっと、イジめにあうこともなかったんだろうな。

なんて、時々思う。



「ま、今日のところはそれを信じてあげるか。

彼女できたんなら、ちゃんと紹介してね!」


「分かった分かった。」



母さんの背中を見ながら、

僕はこんな息子でごめん、と急に言いたくなって。


だけどそれを、グッと我慢した。





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