僕とキミと死ぬ覚悟
電車で1時間。
そんなに広くはない、遊園地。
平日の昼間。
人は…そんなに多くない。
「うわぁ…観覧車だぁ…!!」
電車の窓から見えた観覧車にハルの目が輝く。
こんな表情…ハルもするんだ。
新たな一面に、僕はドキドキしていた。
「ねえ、ハヤト!早く行こうよっ!!」
改札を出て、
ハルは目を輝かせたまま、
僕の腕を引っ張って走ろうとする。
「ハル、大丈夫だよ。
遊園地は逃げないから。」
「…そんなこと、分かってるよっ」
少しふくれたハルは
そのまま、僕の手を握った。
んっ!?と思ったけど。
だけどハルは何も言わないし、何も変わらない。
だから僕は平気なフリをした。
この胸の高鳴りをハルに悟られないように。