僕とキミと死ぬ覚悟
「座って待ってて」
空いていたベンチにハルを座らせて、
僕は売店でソフトクリームを2つ買う。
ハルのところへ戻ろうとベンチに向かうと、
「ねえ、可愛いねー
俺らと遊ばなーい?」
ハルの横に1人の男が座っていた。
「ねえ?シカト?
何?誰と来てんの?オトコ?」
ハルは顔を背けて何も言わない。
気づくと、僕の足は震えていた。
あの声…あの声、キライな、あの、声。
後ろ姿だけでも十分分かる。
その背中を、何度蹴りたいと思ったか分からない。
なんで…なんでよりによって、アイツが…
「ねえ、なんか喋ってよー
名前は?なーまーえ!」
ハルの肩に男の手が回る。
1番触れてほしくない手が、ハルに触れた。
ビビってちゃダメだ。
僕は震える足を前に動かし、
ハルの元へ歩き出した。