僕とキミと死ぬ覚悟





「…生意気なオンナだな」


ハルの一言は、吉田をイラつかせるには十分だった。




「おい、ちょっと来い」


吉田は僕の襟首を掴む。

半分引きずられるカタチで僕は歩く。



「ちょっと…っ!

その手、離してよっ!!」


ハルが吉田に近づく。



「ハル。大丈夫。」


それ以上、ハルが吉田に近づけばアイツは躊躇いもなく、ハルを殴る。

だから僕はいつもと変わらない顔で笑った。



「ん!?吉田?

いなくなったと思ったらいいもん捕まえてんじゃーん」



「だろ?今からアトラクションより楽しいことやろうと思ってんだわ。


あ、お前らはそっちのオンナ捕まえとけ。」


いつものグループ。

どうせ、一人じゃないことは分かってた。



一緒にいた女たちはハルの腕を掴んでいた。







< 38 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop