僕とキミと死ぬ覚悟
「よかった」
彼女はふふっと柔らかく笑った。
「キミ…誰?」
僕の問いには答える気はないようでただ、微笑んでいる。
「明日もまた、ここに来る?」
「え?」
「明日も、来る?」
「…うん」
僕の答えに満足したようにまた微笑んで、彼女は屋上を去って行く。
「あっ!ちょっとー…」
追いかけようと思った。
でも3時間立ったまま緊張状態を保っていたせいで足は棒になっていた。
彼女はいったい…何者なんだろう。
その謎は明日またここに来ることで解けるのだろうか。
さっきまで死ぬことで頭がいっぱいだった僕は
いつの間にか彼女のことで頭がいっぱいになっていた。
これが、僕と彼女とのハジマリ。