僕とキミと死ぬ覚悟
セイトシ
翌日。
ハルは、入院した。
でも僕は、会いに行かなかった。
…いや、行けなかった。
「頻繁に階段で転ぶのね。」
母さんは昨日帰宅した僕にそう言った。
多分、いや、絶対に。
母さんは僕がイジメられていることに気が付いている。
でも、何も言わない。
僕の母さんは、そういう人だ。
「今回は派手に転んだみたいね。」
そう言いながら、ちゃんと手当をしてくれる。
本当に、いい母親を持ったと思う。
そういうワケで、
僕の顔はアザだらけで、
ガーゼだらけで、
絆創膏だらけ。
とても病院に行ける状態じゃない。
何より、
「ハルの笑顔が好きだよ」
なんて言ってしまっている。
ハルはあのあと何も言わなかったから。
だから、どう受け取っているか分からない。
僕としては…
その、
つまり、
告白した、つもりだ。