僕とキミと死ぬ覚悟




「起きたみたい、会ってあげて。」



僕とお姉さんはハルの病室に戻った。



「ハル、久々だね」


「うん」


1週間ぶりに会うハルは少し、痩せて顔色がいいとは決して言えなかった。




「ケガ…だいぶ、よくなったみたい」



「うん。1週間経ってるから。」



「学校は?」



「来週から行くよ。」


そんな当たり障りのない会話。


ハルはあまり、笑わない。




「いつも何してるの?」



「…寝てる」


僕の質問に答えたハルはふっと微笑む。


でもそれは、僕の知ってるハルの笑顔ではない。



「なんかね、最近すごく疲れるの。

だから、ずっと寝てる。



もしかしたら、そのま…」


「ハル」



僕は、ハルの言葉を聞きたくなくて遮った。



きっと、僕が何も言わなかったら。

ハルはこう言おうとしていたに違いない。



「もしかしたら、そのまま死んじゃうのかもね」








< 44 / 66 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop