僕とキミと死ぬ覚悟
「ハル、僕のお願い…聞いてくれないかな。」
ん?と顔をこちらに向けるハル。
「多分、僕はハルがいなくなったら、
どうしていいか分からなくなる。
だから、お願いだ…
死ぬかもしれない、なんてマイナスなこと、考えるのだけはやめてくれないか…」
自分で言っていて、分かっていた。
なんて身勝手で、なんて恥ずかしいことを言っているのだろう、と。
でも、言わなきゃ本当に明日にでもハルは僕の前から…この世界から、いなくなってしまう気がして。
勝手に動く口を、止めることができなかった。
「…ハヤト」
しばらく無言の時間が流れた。
ハルは窓際に立って、窓を開けた。
暖かな風が、病室に流れ込む。
ハルのキレイな黒髪を揺らす。
「ハヤトは、強くなったよ。
もう、わたしなんていらないくらいに。」
「そんなこと…っ!!」
「そんなこと、ある。
ハヤトはもっと、自分に自信を持てばいい。
その、優しさがあれば、これからたくさんの大切な人と出会えると思う。」
ハルは振り向いて、長い髪を耳にかける。
「だからね、ハヤト。
わたしがいなくなっても、絶対に生きて。
わたしの分まで、生きて」