僕とキミと死ぬ覚悟
「それでね、ある日、どうしてか上を見上げたの。
そしたら…」
「飛び降りようとしてる僕がいた…?」
ハルは頷く。
「なんでハヤトを見つけて屋上に言ったのか分からない。
わたしは生きたくても生きられないのに、あの人は自ら死のうとしてる、ムカつく。
そんな理由だったのかもしれない。」
その理由だったとしても、僕は何も言えない。
ハルからしたら、僕みたいなヤツはムカつくにきまっている。
生きたくても、生きられない人は世界中にたくさんいるのに。
今なら、よく分かる。
あのときの僕は、愚かだった。
「どうして、今は怖いの…?」
「ハヤトに、出会ったから。」
ハルが僕を真っ直ぐに見つめる。
その目は、潤んでいて。
それでいて、悲しげで。
僕の胸は今から何を言われるのだろう、
そんな不安からざわついていた。