赤い月 弍
「お風呂、入る?
着物は、借りっパだった羽織と一緒にクリーニングに出しちゃうし。」
「くり… 栗?
よくわからぬが、風呂は有難い。」
「…///
じゃ、タオルと、適当な着替え持ってくるし。」
うさぎが嬉しそうに微笑むだけで胸が熱くなり、なにもかもが満たされた気になる。
全てを捧げても構わないと思える。
もう、かなりの重症だ。
(君が笑ってくれるなら、きっとどんなコトでもしちゃうンだろーな、俺☆)
入浴剤はやっぱバラかな、などと鼻歌混じりに寝室に入り、うさぎでも着られるような服を物色していると、背後に気配を感じた。
「これで良い。」
いつの間にか後ろに立っていたうさぎが、一枚の服に手を伸ばした。
世界を揺るがすような衝撃が景時を襲う。