赤い月 弍
憤然としながらいつものように溢れる紙束をかき出していると、ソレが指先に触れた。
つまみ出し、眺めながら首を捻る。
ミミズが這ったような文字が書かれた短冊状の薄い紙は、ラブレターには見えないケド…
「呪符じゃな。」
後ろから顔を出したうさぎが、景時の手元を覗きこんだ。
「っ///
うさちゃん?
急にそんなに近いと、俺、口から心臓飛び出ちゃうよ?」
「ん。
再び飲み込めば、問題あるまい。」
あぁ… ご無体な…
眉をハの字にし肩を落とす景時を放置して、うさぎはその紙切れを見つめながら白い指先を顎に当て、小首を傾げた。
「…しかし、これは…」
「うん。
中途半端だよねー?」
景時はつまんだ紙切れを目の高さまで持ち上げ、ピラピラと振った。