赤い月 弍

「鬼寄せではないのか?」


腕を組み、一言も発さず静かに話を聞いていたうさぎが、秋時の問いかけに口を開いた。


「「「『鬼寄せ』?」」」


「知らぬのか? 秋時も?
京の都が華やかだった頃には、多く見たものじゃが。」


「…って、うさぎサマっていったい幾…
ゴメンナサイ。」


うさぎにチラリと視線を送られた薫は青ざめ、すぐさま貝になった。

鬼神って、目からレーザー出せンの?


「そなたらも知っての通り、腕を切り落とされた程度で鬼は死なぬ。
闇を滅さぬ限り。
そなたらは浄化と言うのであったな。
では浄化なくして、切られた鬼の腕はどうなる?」

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