赤い月 弍
今時女子の必需品
大きな中途半端と小さな中途半端。
二つの中途半端を抱えたまま、数日が過ぎた。
オニ狩り僧たちによるローテーションの見回りにも『オニっぽいモノ』は姿を見せず、素人感丸出しの呪符も、うさぎの下駄箱に毎日入り続けている。
だが、掴みにくい手懸かりが思いもよらないところから提供され、繋がる事実が芋づる式に明るみに出ることもあるもので…
「祥子。」
「んー?」
いつものように佐々木教諭が心の中で舌打ちしてホームルームが終了し、皆が帰り支度を整える騒がしい教室で、うさぎが祥子に話しかけた。
秋も深まり、このくらいの時刻になると、開け放たれた窓からの風が肌寒い。
「ここしばらく小鞠を見ぬが。
何か知っておるか?」